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クレジットカード in NEPAL
ついにと云うかやっと、カトマンズでもクレジットカードでキャッシングが出来るATMマシンが登場しました。Nepal Grindlays Bankの本支店に設置されており、VISA と MASTER カードが使用できます。ただし、出てくるお金は「ネパール・ルピー」のみです。これからはカトマンズでも、「持っててよかった○○カード.....」ですね。
一般のお店でも、カード決済が徐々に普及してきました。ただしここには「落とし穴」もあることを、皆さん十分にご理解下さい。非常に稀なケースではありますが、
金額にゼロを足された〜
例えば3,000ルピーの計算書を30,000ルピーにされてしまった。と云う種類のものです。被害にあった方は、カードの使用明細書を確認せずにサインしてしまったそうです。しかも、明細書の客側控えをもらわずに日本に帰国し、後でカード会社から送られてきた「引き落とし通知」を見て仰天したとのこと。
カードの不正使用をされた〜
お店側にカードを預けて、カードリーダーに読み込んでもらうこと、時にありますよね。こんな時、何枚か余分に、明細書を不正に作られてしまい、使用していない金額の明細書を作られてしまうケースも聞きました。サインは、本人のものを真似られるのでしょう。
このような不正使用は、このようにすれば防止できるはずです。
自分の目の前でカードの読み取り、明細書の作成をしてもらう。
何らかの事情でミスになった明細書は、その場で細かく破り捨てる。
カードの明細書を確認してからサインし、客側控えは必ずもらい保管しておく。
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ネパールの銀行でも、ネパール人や在留外国人にクレジットカードを発行してくれます。ただし、外国人には「ドル決済」の国際カード、ネパール人には「ルピー決済」のネパール・インドでしか通用しないカードです。
私はまずこの「国際カードMASTER」を、元々外貨口座を持っていたN銀行で発行してもらいました。しかしこれ、ネパール国内では(一部外貨決済が承認されている加盟店を除き)使えないのです!外国で発行されたカードなら大丈夫でも、ネパール国内で発行されたドル決済カードは、ネパール国内での現地通貨ルピーでの買い物には使用できない規則だそうです。そんなこと、カードの申し込み時には、ひとことの説明もありませんでした。(ネパール国外の使用には問題ありません)
それじゃあ仕方ないというので、N銀行にルピーカードを申し込みました。そうしたら「外国籍のあなたには発行できない。ネパール人の亭主の名前で発行し、家族カードでどうでしょう」と、銀行から申しつけられました。「何で私が、亭主の名前のカードを持たなきゃならないの?自立した女性に対して失礼じゃない!」と、私はその銀行のカードカウンターを後にしました。
結局は他のG銀行に新たにドル口座を開設し、ルピー決済をドル換算して引き落とすというやり方で、「ルピーカードVISA ネパール・インドのみ使用可」を手に入れることとなりました。この際国際カードもG銀行に乗り換えようと思いましたが、ネパールでは前出のN銀行にのみ、国際カードの発行が許可されているとのこと。なんとまぁ......
やっと、ネパール国内でも国外でも、カードが使えるようになった数日後、私にルピーカードは発行できないと云ったN銀行から電話がありました。
N銀行 「お客様のドル口座から引き落とすのであれば、ルピーカードをお作りできますが」
私 「その方法でもう、G銀行で作りましたらいいです」
N銀行 「それは良かったですね。当行よりG銀行さんの方がサービスも良いそうですから.....」
うぐぐぐぐっ。ネパールの銀行員。クレジットカード以前の問題を抱えている奴らだ!ネパール在住10年にして、またしても「ネパールに負けてしまった」、クレジットカード始末記でした。
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実録!ネパールで暮らす(ネパールの魅力編)
私たちネパールで暮らす者にとって、この国の「魅力」って何なのでしょうか?旅行者をはじめとする短期滞在者のみなさんは
「ネパールは日本の昔の姿と良さを、今に残した国である」
「ネパールの人たちは皆、良い人ばかりだ」
「本当に佳い国だ、ネパールは」
と、殆どの方がそう仰います。しかしここに住み始め、数ヶ月経った方々からは、
「ネパールは汚いし水もない。日本とは天と地ほどに違う」
「ネパール人は狡くて信用できない」
「こんな国はどうしようもない。早く日本に帰りたい」
という声も聞こえてくるのです。
それでも、数年という単位以上で生活されている方々からは、
「まぁいろいろ許し難いこともあるけど、何故かネパールは捨てがたい魅力に溢れている。自分たち仲間内ではネパールを批判するけれど、新参者がこの国を悪く云うのは許せない」
と、どうにも愛憎混じり合ったコメントが出てきます。ネパールの魅力を単純に言い表すことは出来ないが、何故かこの国が嫌いになれない、好きなのだと云うことです。
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ネパールの魅力というのは、住めば住むほど不可解な存在と云えるでしょう。私の場合、このような「屁理屈」をつけてみました。
1)まず私は、ネパールという「存在」と「恋に落ちて」しまったのだ。
2)そして私は、「死ぬほど愛しいネパールに居続けるため、どうすべきなのか【ない知恵】を絞った」のだ。
3)その結果としての留学があり仕事があり、ネパール人との家庭生活の維持があるのではなかろうか?
この論理なら、たとえ何があってもネパールを離れたくない「我が心」の説明がつきます。しかし依然として不可思議なのは、何故ネパールという存在と恋に落ちたのか、その恋が一時の感情にとどまらず、どうして長期間持続しているのか.....ということです。
どなたか明確な回答を、御教示いただけませんでしょうか?
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実録!ネパールで暮らす(家庭生活編)
最近、ネパール人と結婚する日本人が「爆発的に増加」しています。特に日本女性とネパール男性の組み合わせが多いそうです。カトマンズの日本大使館に婚姻届を出す場合だけでなく、直接日本の役所に婚姻届が出されることも多く、その実総数については当方も掴みきれていません(どなたか教えて下さい)。
私も1991年以来、ネパール人の連れ合いと共同生活(婚姻届を出したのは1992年)を送っており、日々の生活の中で思うことを綴っていきたいと思います。まずは家庭生活について.....
私だけでなく(国籍に関係なく)殆どの「外人妻」が口をそろえて云うのは
「ネパール人との結婚生活を成功させる鍵は、ネパール側家族の干渉を最小限にする努力」
「ネパール人は甘い顔をしていると、本当にキリがない」
と云うことです。
具体的に書きましょう。ネパール人の場合、貴方の洋服やアクセサリー持ち物などを「家族だから」と、勝手に使います。
貴方の部屋にノックもなくネパール人は勝手に出入りして、挙げ句の果ては貴方のベッドの上でごろごろされたりしますよ。出ていけ!って怒鳴らない限り、出ていかないですよ。
貴方が日本人だから、訳の分からない親戚の男の子が「日本に連れていってくれ」と、臆面もなく言い出します。
貴方が生んだ大切な子供は「父親はネパール人だから」ということで、油まみれにされ(子供が健康に育つためのオイルマッサージ、しかしこれに使う菜種油は非常に臭い)日光浴させられまっ黒黒のべとべとの油臭ベビーにされます。
ネパールでは伝統的な食物規制があり、貴方が風邪を引いて寝込みビタミンの補給に果物と思っても「身体が冷えるから良くない」などと云われて食べさせてもらえないこともあります。肝炎になると肉・魚・乳製品も食べてはいけないと云われ(食べて良いのはパパイヤやブドウ糖を溶かした水)、ひもじくて泣いてしまうかもしれません。
これらは日本ではしないことですが、ネパールなら「普通に誰でもすること」です。良いとか悪いじゃなく「文化・価値観が違う」のです。ですから貴方一人が「キーーッ!」と怒っても仕方ありません。その分貴方もネパール人の家族や親戚に無理を言っても良いのかもしれませんが、普通の日本人には云えませんよね。たとえ云ったとしても
「私たち貧しいネパール人が、お金持ちの貴方を助けることなんて出来ない」
と、思いもよらない逆襲に出られることもあります。
ネパールでは、お金持ちや立場の強い人におねだりするのは普通のことなんです。自分で出来る限りは努力して、出来ないことだけを他人さまにお願いするって、日本の美意識ですよねぇ。ネパールじゃあ「おんぶにだっこ」で他人をあてにしまくりです。えっ、自分は貧乏日本人ですって....そんな言い訳、南アジアでは通用しませんよ!日本人=アジアの超大国から来たお金持ちと見られて当然なのです。
日本人もネパール人も「お互いよく似た文化を持つアジア人」などと、簡単に理解しあった振りをしますが、ネパールを知れば知るほど「全然違った生活習慣と価値観」が両国間にあることに気づくでしょう。日本人とネパール人が似ているなら、日本人とフランス人だって目と耳は二つで口は一つで似ているじゃないですか。
私はネパールの経済的困難も、カトマンズの悪臭漂うゴミも、世界最悪の大気汚染も我慢できますが、ネパール人の「依存気質」だけは我慢できません。これは私に限らずネパール人と結婚して暮らしている人たちの多くが、腹の底から思っていることです。
家族に依存しあうことが愛情なのだと育ってきたネパール人と、親しき仲にも礼儀ありの日本人では、生活の折り合いをつけるのは簡単ではありません。1年2年と暮らす中で、互いの「家族や親戚との距離感」を認めあいつつ、妥協点を探ってゆくしかないのです。
ネパール人にとって私たち日本人は、アジア人の顔をした個人主義者であり、私たちがネパール人を理解しづらいのと同様彼らも私たちのことを必死になって理解しようとしてくれている。このことだけは忘れずに生活したいですね。ネパールでの生活に自己主張は不可欠ですが、相手の文化も認める謙虚さと柔軟性もなくてはやっていけません。